消費税の免税事業者になれず簡易課税も選べない3年間

こんにちは。代表の小澤悠二です。

娘が5月に病気で入院して退院後に田舎へ引越しをし、1万人のフォロワーがいたTwitterも、趣味だった競馬も辞め、バタバタしていたらもう12月でした。僕は半単身赴任生活ですが、娘の病気が改善しているので幸せです(しかしながら疲れています。。)。

 

さて、1000万円未満の資本金で会社を設立すると基準期間(2年前)の売上高が1000万円を超える期まで消費税の免税事業者なのは多くの方がご存じですよね(特定期間除く)。

 

でも大きな設備投資をする場合など消費税の還付を受けたい時は「消費税課税事業者選択届出書」を税務署に提出して課税事業者を選ぶことができます。そしてこの届を出すとその期を含み2年間は課税事業者であることを強制されます。これも多くの方がご存じです。

 

しかし、2年でなく3年になり、かつ簡易課税も選べない場合があることをご存じでしょうか?恐らく多くの場合が該当しています。

 

調整対象固定資産

 

調整対象固定資産とは棚卸資産以外の資産で、建物及びその附属設備、構築物、機械及び装置、船舶、航空機、車両及び運搬具、工具、器具及び備品、鉱業権その他の資産で、一の取引単位の価額(消費税及び地方消費税に相当する額を除いた価額)が100万円以上のものをいいます。

ざっくり税抜100万円以上の固定資産ということです。

 

消費税課税事業者選択届出書を提出して、課税事業者が強制される2年の間に棚卸資産・調整対象固定資産を購入すると購入した期から3年間免税事業者になれず、加えて簡易課税を選択できなくなります。

 

大きな投資をした期に大きな還付を受けて、その後すぐに免税事業者になってしまったり、簡易課税を選択されてしまうとその後の成果による消費税の納税が充分にされず、国が困ってしまうということですね。

 

ちなみに2年目に調整対象固定資産を購入すると2年目から4年目が簡易課税を選択できない課税事業者になりますが、強制されない3年目に調整対象固定資産を購入しても5年目に影響は与えません(免税事業者になれるし、簡易課税も選択できます)。

 

高額特定資産

 

高額特定資産とは1つの取引の金額が税抜1000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産をいいます。

ざっくり、いや、これはざっくり書くまでもないか。

 

高額特定資産を購入するとその期を含む3年間は簡易課税を選択できない課税事業者になります。これは最初に説明した制度とは別で課税事業者全体に適用されます。

 

消費税課税事業者選択届出書を提出した会社がこの制度を知らずにその強制期間である2年を超えた3年目に税抜1000万円の調整対象固定資産を購入すると3期を含む5期まで簡易課税を選択できない課税事業者になってしまいます。

 

こちらをざっくり説明すると、年に1回税抜1000万円以上の仕入や固定資産購入をしている会社はずっと簡易課税を選択できない課税事業者のままということです。

 

消費税は毎年複雑になっていきます。2023年にはインボイス制度も始まりますし、、これからもお客様への情報提供を欠かさずに精進していきます!

 


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