原価計算

2012年6月2日

こんにちは。大阪市北区中津の公認会計士・税理士の小澤悠二です。

ここ1ヶ月ほど、独立してからもっとも忙しくさせていただいており、久々のブログ更新になります。

更新できていないことを気にしてはいたのですが、あまりに忙しく。。そんな折、このブログを日本で最も楽しみにしているであろう田舎の母親から「更新がないから、身体は大丈夫か」という内容の連絡が来ました。連絡をおろそかにしている両親にとっては私が元気にしているかを確認するツールになっていたようです。更新し続けることの重要さを感じ、今日から再開します。

今日は父親の70歳の誕生日です。まだまだ若いと思っていましたが、世間的には立派なお爺さんです。早く安心させてあげたい思いはありますが、まだまだ長生きしてほしいので、もう少し心配かけようかなと思っています。

前置きが長くなってしまいましたが、今日は「原価計算」です。標準原価計算、直接原価計算など細かい話はいたしません。「原価計算をされていますか?」という内容です。

今後消費税の増税を控え、中小企業においては価格に増税分を転嫁できないことによる原価割れが発生することが予想されます。では最低いくらで売ればいいのですか?それの目安が「原価」になります。仕事のなかには原価割れをしても取らなければいけないものはあります。ただ、原価がいくらか把握しておかなければ原価割れをしているのか、していないかもわかりません。原価割れの商品と、原価割れしていない商品をセットで売り、全体として原価割れを回避する戦略、原価割れをしていない商品に力を入れる戦略など、原価を把握することは経営戦略の重要な要素になります。

原価には材料費・労務費・間接費があります。この3つを足したものを「原価」と考えて問題ありませんが、作ったものが全部は売れない場合もあります。1割は売れ残って最終的には廃棄するのであれば原価は1割多く見ておかないといけません。

小澤会計事務所の事例でも、原価計算を見直すことにより、問題点が多く発見されたお客様がおられました。お客様は得意先との交渉をするなど、一歩前に進んだ戦略をとられています。見直さなければ何もしなかったわけですから、交渉の結果如何を問わず有意義であったと自負しております。


ページTOP

法人減税で利益悪化の原因

2011年12月16日

最近新聞などで「法人税が減税になったのに企業の利益は悪化」という文字を見かけます。

これは「繰延税金資産が減るから」という言葉で説明されますが、今回はこれをわかりやすく書いてみようと思います。

繰延税金資産は会計における収益費用と税務における益金損金の違いから生じます。会計上は費用になるが、税務上は損金にならず、かつ、いつかその違いが解消される場合は「繰延税金資産」が計上されます(ここでは単純に「繰延税金資産の回収可能性」はあるとして考えています)。

つまり、この場合、会計のほうが早く費用を計上しているため、税金の前払いとして繰延税金資産が計上されます。

例えば、税引前利益が1000の会社を考えてみましょう(税率は40%とします)。また、この会社は100の退職給付引当金を計上しています。

退職給付引当金は現在、税務上損金にすることができません。退職給付引当金以外に会計と税務の差がないとすれば、税金は(1000+100)×40%で440となります。しかし、退職時には損金を計上できるため、税務上いつか損金とすることはできます。会計上はすでに退職給付引当金を計上しているため、退職時には費用は発生しません。

ここで前払いの税金という考え方を使って、繰延税金資産を計上します。金額は退職給付引当金分の100に40%を乗じた40となります。仕訳としては以下のようなものが追加されます。

(借方)繰延税金資産40(貸方)法人税等調整額40

この法人税等調整額は税額に加減算されるため、実際の税額440から40を引いた400が会計上の「法人税等」として計上されます。この計算の結果、この会社の当期純利益は1000-400=600となります。

この「繰延税金資産」により、「法人税が減税になったのに企業の利益は悪化」という事象が説明できます。

上記の数値例では税率は40%と仮定しています。ではこれが35%になったらどうなるか説明します。

繰延税金資産を計上する根拠となる税効果会計においては繰延税金資産の計上額は「差が解消する年度の税率」に基づいて計算することとなっています。したがって、上で計算した繰延税金資産の金額は100×35%=35となります。その結果、会計上の「法人税等」は440-35=405となり、この会社の当期純利益は1000-405=595となります。当期純利益は5減少しています。

これが「法人税が減税になったのに企業の利益は悪化」している原因です。

かなり省いて書きましたので、読みにくいところがありましたらお詫び申し上げます。


ページTOP

今年度から四半期報告書が簡素化されます

2011年7月16日

私は「会計事務所代表」という肩書とともに「監査法人職員」という肩書も持っています。

そのため、会計・税務に加え、監査の知識も最新に更新していかなければなりません。

今回は会計・監査に関する話題を書こうと思います。

日本の会社は3月決算が非常に多いです。3月決算の会社は表題のとおり、この第1四半期から四半期報告書の簡素化が認められました。

なぜ簡素化されたかについてですが、ひとことで言えば「早く提出してほしいから」ということです。

早く提出できるベネフィットと四半期報告書に記載するコストを天秤にかけ、ベネフィットが上回る部分は省略されたと考えられます。

以下では大きなポイントを記載していきます。

1.四半期財務諸表の簡素化

①四半期損益計算書の簡素化(3ヶ月情報)

第1四半期は3ヶ月累計も3ヶ月期間も同じなので厳密には第2四半期からの簡素化ですが、3ヶ月の損益計算書が省略可能となっています。

例えば3月決算の会社の第2四半期において、今までなら4月から9月の損益計算書と7月から9月の損益計算書を載せなければなりませんでした。

これが、4月から9月の損益計算書のみ載せればいいということになりました。

②四半期キャッシュ・フロー計算書の簡素化

第1四半期と第3四半期の省略が可能になりました。言い換えれば第2四半期のみの開示で問題ないことになります。

しかし、省略した場合、一部情報(キャッシュ・フロー計算書からしか得られない情報)について注記する必要があります。

具体的には減価償却費とのれん償却額の注記が必要になります。

2.注記情報の簡素化

規定自体がなくなったもの、簡素化されたものがありますが、ここでは規定がなくなったものを記載します。

①開示対象特別目的会社の注記

②簡便な会計処理の注記

③ストックオプション等の注記

④逆取得となる企業結合の注記

⑤資産除去債務の注記

⑥賃貸等不動産の注記

⑦担保資産の注記

⑧手形割引高及び裏書譲渡高の注記

⑨1株当たり純資産額の注記

⑩発行済株式・自己株式数・新株予約権等の注記

⑪賃貸借処理を行っている所有権移転外ファイナンス・リース取引の注記

3.四半期レビュー対象外部分の簡素化

監査人は四半期報告書をレビューし「レビュー報告書」を提出します。四半期財務諸表・注記情報はレビューの対象です。

以下は監査人のレビューの対象外で、作成が省略されている部分を記載します。

①関係会社の状況

②従業員の状況

③生産・受注及び販売の状況

④設備の状況

⑤株価の推移


ページTOP

個人事業の仕訳

2011年7月2日

個人事業を開始された方から一番多い質問を数字を使って説明しようと思います。

つい最近も「簿記2級をもってるんだけど私の給与ってどう処理するかわからないっ」って質問を受けました。

ここでは「給与」に的を絞って書いていこうと思います。

例「100万円を使って個人事業を開始しました。その年の売上は1500万円、経費(事業主の給与除く)は800万円、生活費として年間で300万円引き出しました」

①100万円を使って個人事業を開始した際の仕訳

(借方)現金 100万円 (貸方)元入金 100万円

②1500万円を売り上げた際の仕訳

(借方)現金 1500万円 (貸方)売上高 1500万円…ここでは現金売上と仮定しています。

③800万円の経費を使った際の仕訳

(借方)経費 800万円 (貸方)現金 800万円…ここでは現金で支払ったと仮定しています。

④生活費を300万円引き出した際の仕訳

(借方)事業主貸 300万円 (貸方)現金 300万円

⑤年度末にしなければならないこと

「事業主貸」っていう科目はそのまま個人事業主に貸しましたって科目です。個人事業では給与を費用にできないため出てくる科目になります。

このほかにも例えば1500万円売り上げたけれど源泉徴収で150万円抜かれて1350万円現金でもらったって場合は借方の現金1350万円と貸方の売上1500万円の差額150万円は「事業主貸」で処理します。

これも個人事業そのものから考えたら1500万円もらえるはずなのに1350万円しか入金されない。ということは事業主に150万円貸してるんだって意味合いです。

逆に外注などをして源泉徴収をこちらが行った場合、「事業主借」という科目がでてきます。これは個人事業から見たら払うべき金額より実際支払った金額が少なかった。これは事業主から借りているんだって意味合いです。

上記の仕訳だと決算期末に「事業主貸」が300万円発生しています。現金を引き出した際の事業主貸は期末で消す必要があるので、元入金と相殺します。

(借方)元入金 300万円 (貸方)事業主貸 300万円

これで「事業主貸」は消えました。

しかし、この時点では元入金が△200万円となります。元入金はマイナスでも全く問題ありません。事業がうまくいかなければありえるからです。会社でいう「債務超過」の状態だと考えてください。

でも上記の事業は売上高1500万円、経費800万円と儲かっています。そこでこの差額が元入金の増加として反映されます。700万円の利益が出ているので、元入金は700万円―200万円の500万円となります。


ページTOP