会社設立時に提出が必要な税務関係書類②

2011年6月25日

前回はチェックリストとして、設立時の税務関係必要書類を並べさせていただきました。

今回はそれぞれの書類の意味を書いていきたいと思います。

(1)税務署に提出する書類

法人設立届出書

設立したすべての会社が対象になります。提出期限は設立日から2ヶ月以内です。

文字通り、「設立したことを届け出る」書類になります。

青色申告の承認申請書

青色申告を希望する場合に提出します。期限は設立後3ヶ月以内となります。

なお、設立1期目が3ヶ月未満の場合は期末日の前日が期限となります。

また、いままで青色申告をしていない会社が青色申告をしたい場合、青色申告をしたい事業年度の始まる日の前の日までに提出する必要があります。

青色申告とはなにかといいますと、「きちんと経理をするから税務上の特典をください」っていうことになります。

特典とはたとえば、税務上の欠損金(赤字)を7年間繰り越すことができる(青色じゃない場合、特別な事情がないと繰り越せません)、前の期が黒字で当期が赤字の場合、前期に納めた税金が還付される(繰り戻し還付)、30万円未満の固定資産を買った場合、一度に費用にできる(青色じゃないと10万円以上の固定資産を買った場合、減価償却を行います)があります(これらの特典は一般的な中小企業をイメージしています)。

給与支払事務所等の開設届出書

すべての会社に提出が義務付けられ、設立から1ヶ月以内に提出します。

会社が給与を支払った場合、受け取る方のかわりに所得税を納める必要があります。給与が満額受け取れない理由の一つは所得税を会社が支払っているからです。

これを源泉徴収といい、会社は原則として預かった所得税を預かった月の翌月10日までに納める必要があります。

「給与支払事務所等の開設届出書」は会社が源泉徴収をする義務を負ったことを税務署に知らせる書類となります。

…といっても小規模な会社は毎月この手続をするのは大きな負担になります。。そのため④の書類を一緒に提出します。

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書

これはその特例を受けたい会社が提出し、提出した翌月から特例を受けられます。ただし、使用する従業員が常時10名以下でないとこの特例は受けられません。

まず、「納期の特例」とは、③で書いたように源泉徴収をした会社は源泉徴収をした月の翌月10日までに源泉所得税を納めなければならないってルールがあります。

小規模な会社の場合、人員的に毎月この事務を行うのは負担が大きいため、年2回納めればいいって特例です。

1月~6月に預かった源泉所得税を7月10日に、7月~12月に預かった源泉所得税は1月10日に納めればいいことになります。

これを見て、1月10日ってきついなって思いませんか?お正月にゆっくり旅行もできないですよね。これに関する特例が「納期の特例適用事業者に係る納期限の特例」になります。

これを提出すれば、上記の1月10日を1月20日にすることができます。

2つの申請が一つの用紙でできるので、通常一緒に提出します。結果として、1月~6月の源泉所得税は7月10日に、7月~12月の源泉所得税は1月20日に支払うことになります。

消費税課税事業者選択届出書

①~④は通常提出する書類になりますが、税務署に提出する書類のうち⑤~⑧は通常提出しない書類となります。

資本金が1000万円未満の会社は、現行のルールでは通常2期目までは消費税を納める必要はありません。

これをあえて納めると宣言する書類が⑤になります。なぜあえて納めにいくかといえば、消費税は還付される性質の税金だからです。計算の結果、消費税がマイナスとなれば還付を申請します。しかし、一般的な会社では消費税がマイナスになることはあまりないので、この書類は提出しません。

例えば、本社ビルや工場を購入する場合や日本で仕入れて輸出販売する会社などは消費税が還付になる可能性が高いのでこの書類を提出することになります。なお、提出期限は課税事業者となりたい期の期末日までとなっています。

消費税簡易課税制度選択届出書

これは設立時においては「⑤消費税課税事業者選択届出書」を提出した場合に提出を考慮する書類になり、提出期限は簡易課税を選択したい期の期末日です。

消費税の計算は非常に難しいので、小規模な会社は簡単に計算してもいいっていう制度です。私たち税理士は、原則課税か簡易課税か有利な方を選択する試算を行いますが、ご自身で申告書を作成される場合、簡易課税にされる方が多いのではないでしょうか。

棚卸資産の評価方法の届出書

この書類を提出しなければ、棚卸資産の評価方法は「最終仕入原価法(その期の最後の仕入単価で在庫を評価する方法)」となります。これを提出することで「先入先出法」などその他の評価方法を選べます。この提出期限は申告までということで、基本的に設立年度は1期目の期末日の翌々月末までになります。そのため、仕入単価が大きく変動した場合などに有利不利を考えて、他に有利な評価方法があれば提出する書類になります。

減価償却資産の償却方法の届出書

これを提出しなければ償却方法は「定率法」になります。なんらかの理由で「定額法」を選びたい場合などにこの書類を提出します。提出期限は申告までなので基本的に期末日の翌々月末になります。

(2)都道府県税事務所に提出が必要な書類

法人設立等申告書(大阪府の場合、呼び名は場所によって異なる場合があります)

すべての会社が対象となります。法人都道府県民税、法人事業税を支払う会社を作ったことを伝える書類と考えてください。提出期限は通常1ヶ月程度で、自治体により異なります(大阪府の場合は設立から15日以内)。個人的な意見ですが、15日って厳しいです。登記簿を入手できる状態になるだけで設立から1週間程度かかるうえに、社長は平日お忙しいですからなかなか取りにいけませんよね。私はお客様が間に合わないときは提出前に府税事務所に電話して謝っています。謝りますが、怒られたりはしないです(できるだけ早くお願いしますねって感じです)。

(3)市町村役場へ提出する書類

法人設立・事務所等開設申告書(大阪市の場合、呼び名は場所によって異なる場合があります)

すべての会社が対象となります。法人市民税を払う義務が発生した会社を設立したことを市役所に伝える書類を考えてください。期限は通常は1ヶ月程度(大阪市は2ヶ月以内)となっています。

税務に関する書類だけでかなりの量となります。期限はバラバラですが、忘れたりしないように必ず必要な書類はすべてを一回で提出できるように管理しましょう。大阪府で設立した会社であれば15日以内に全部を提出するのが望ましいですね。。



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