平成24年度税制改正大綱①

2012年2月10日

平成23年12月10日に「平成24年度税制改正大綱」が閣議決定されています。

このうち使用頻度の高いと考えられるものや重要なもの、興味深いものをご紹介していこうと思います。

今回は「給与所得控除に上限を設定する」という改正について書かせていただきます。なお、まだ確定段階ではありませんので、変更があれば当ブログでお知らせいたします。

給与所得控除とは所得税を計算する際の所得(給与所得)について給与総額が所得となるわけではなく、一定額を控除したものを所得として所得税を計算する、その「一定額を控除するもの」です。

例えば私など個人事業主は売上から家賃などの経費を差し引いて所得を計算しています。一方で給与で生活されている方にとっては給与総額が売上ですが、差し引く経費は認められていません。もちろん経費は給与を支払う側が負担しています(例えば事業所家賃、交通費、水道光熱費、備品)。しかし、給与を支払う側がすべての経費を負担しているわけではありません。会社のためにする接待費用、会社用スーツ代など自腹という方もおられると思います。しかしそれらの経費を給与所得者全員に申告してもらうとなると国や市町村もたいへんです。給与所得者にも一定額の経費がかかっているが、全員に申告してもらうのは事務処理上不可能なため、「給与所得控除」というルールがあります(これは理由の一例です)。例えば年収500万円の方であれば給与所得控除額は154万円(30.8%)となり、年収2000万円の方であれば給与所得控除額は270万円(13.5%)となります。給与が高い方ほど給与所得控除額は少なくなり、所得が多く計算されるようになっています。

この給与所得控除ですが、今までは給与の上限がありませんでした。今回の改正は給与の上限を設けて、さらに給与の高い方に税金を負担してもらうというものです。給与の上限は1500万円超、給与所得控除の上限は245万円で、上の例でいえば年収2000万円の方の給与所得控除額は245万円(12.25%)と負担が増えています。年収1億円となるとすごい数値(2.45%)になります。

給与が高い方はここだけ見ると非常に苦しい改正に思われます。しかし、一方で消費税率を上げる議論も進められていて、消費税率は全員一定ですが、収入に対する税負担の割合は、収入のうち消費財の購入にまわすの割合が多い給与の低い方が相対的に大きくなります。しかし、消費税側ではそういう負担増となる方には補助がなされるという議論もあり…。「しかし」が多くなるように政策的な面が大きいかなと思いますし、政治は難しいとも思います。

この改正(給与所得控除の上限)は所得税で平成25年から、住民税で平成26年からと予定されています。経営者の方は今まで以上に所得税を重視しなければならなくなります。法人税と所得税・住民税のバランスを考えて報酬を決定することは相当に難しいと思われるからです。

対策としては、例えば含み損のあるゴルフ会員権をお持ちで、譲渡する予定がある方は平成25年以降にされたほうがいいということが挙げられます。

 



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