平成24年度税制改正大網② | 小澤・曽川税理士法人

平成24年度税制改正大網②

2012年2月24日

前回は「給与所得控除」の改正についてお話しました。

上限ができ、所得が多いほど給与所得控除額の割合が減るというものです。

今回はそれと関連する「特定支出控除」について書かせていただこうと思います。

現状、特定支出控除は「給与所得者が次の1から5の特定支出をした場合、その年中の特定支出の額の合計額が給与所得控除額を超えるときは、確定申告によりその超える金額を給与所得控除後の金額から差し引くことができる制度」です。

1から5とは以下を指しています。

①一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出

②転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出のうち一定のもの(旅費、宿泊費、荷物の運賃など)

③職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出

④職務に直接必要な資格(一定の資格を除きます。)を取得するための支出

⑤単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出のうち一定のもの(1ヶ月につき4往復まで)

このうち④の(一定の資格を除きます。)の「一定の資格」とは、弁護士、公認会計士、税理士などを指しています。

今回の改正では、まず、現状では「特定支出の額の合計額が給与所得控除額を超えるとき」となっている適用条件が改正されます。変更後はこうなります。「特定支出の額の合計額が給与所得控除額の1/2を超えるとき」。

計算式で示すと、給与から控除する金額は以下のようになります。

現状:特定支出の額が給与所得控除額を超えた部分+給与所得控除額

改正後:特定支出の額と給与所得控除額の1/2のうちどちらか多い額+給与所得控除額の1/2

例えば、年収500万円(給与所得控除額170万円)の給与所得者が100万円の特定支出を行った場合、現状では特定支出控除が給与所得控除を下回るため、特定支出による控除は受けられません(給与から控除できる金額は170万円です)。しかし、改正後であれば特定支出100万円が給与所得控除額の1/2である85万円を超えています。そのため改正後の式に当てはめて、100万円+85万円=185万円が給与から控除できる金額となります。

また、上で1から5で示した特定支出の範囲も改正になります。

上の④で除かれていた「一定の資格」である弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得ための支出が特定支出控除となり、さらに以下が特定支出として追加されます。

「職務と関連のある図書の購入費、職場で着用する衣服の衣服費、職務に通常必要な交際費(65万円が限度)」

この改正は平成25年度以後の所得税に適用される予定ですが、現在では案であり、決定ではありませんのでその点ご注意ください。

個人的な感想としては、確かに使いやすくなっていますが、適用者が劇的に増加するとは考えにくいなというところです。

 



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